2016年10月30日
平成27年度 保安管理技術試験問題
問1
イ 物質の固有の性質を示す基本粒子を原子という。
誤 物質の固有の性質を示す基本粒子は、分子である。
ロ 一定質量の理想気体の体積は、一定温度のもとでは絶対圧力に反比例し、一定圧力のもとでは絶対温度に比例する。
正 ボイル−シャルルの法則である。
ハ 二酸化炭素の分子量は、プロパンのそれとほぼ同じである。
正 二酸化炭素(CO2)の分子量は、(12×1)+(16×2)=44
プロパン(C3H8)の分子量は、(12×3)+(1×8)=44
二 標準状態(0℃,0.1013MPa)におけるブタン90㎥の質量は、およそ177sである。
誤 ブタンの分子式はC4H8であり、分子量は58である。アボガドロの法則によりブタン1kmol(58s)は標準状態(0℃、0.1013MPa)で22.4㎥の体積を占める。従って、90㎥のブタンの質量は、90㎥÷22.4㎥/kmol×58kg/kmol≒233s(2.59kg/㎥)
問2
イ 絶対温度253Kは、セルシウス温度に換算するとおよそ-20℃になる。
正 絶対温度(ケルビン)[K] =セルシウス温度[℃]+273
ロ 単位面積1㎠当たり1Nの垂直な力が面に作用しているとき、その面における圧力は、1㎪(絶対圧力)である。
誤 1Pa=1N/u=1kg/(m・s2)である。1u=10,000㎠、1,000Pa=1㎪。従って、1N/u=10,000N/u=10,000Pa=10㎪
ハ 質量1sの水の温度を1℃上昇させるためには、およそ4.2kjの熱量が必要である。
正 水の比熱は約4.19kj/(kg・℃)である。
二 液比重は、kg/Lの単位で表される。
誤 液比重は、液体の質量とこれと同体積の4℃の水の質量との比で表される。液密度(単位kg/Lで表した場合)と同じ値となるが、単位はない。
問3
イ 標準状態(0℃、0.1013MPa)における気体のプロパンの密度は、およそ2kg/㎥である。
正 標準状態における気体のプロパン1molの質量は44g、体積は22.4L。従って、44[g/mol]÷22.4[L/mol]=1.96[g/l]≒2[kg/㎥]
ロ 容器内のLPガスが液相と気相の平衡状態にあるとき、その蒸気圧は、液相の組成および温度が一定であれば、液量の多少に関係なく一定である。
正
ハ 標準大気圧(0.1013MPa)におけるプロパンの沸点は、ブタンのそれよりも高い。
誤 プロパン−42℃、ブタン−0.5℃である。
二 15℃の液状のプロパンが液状のまま60℃になると、その体積はおよそ1.2倍になる。
正
問4 LPガスの燃焼特性について
イ 常温、大気圧、空気中におけるブタンの爆発範囲(燃焼範囲)は、メタンのそれより広い。
誤 ブタン 1.8〜8.4vol%(範囲:6.6vol%)、メタン 5.0〜15.0vol%(範囲:10.0vol%)である。
ロ 標準状態(0℃、0.1013MPa)におけるプロパンとブタンの単位体積当たりの総発熱量は、ほぼ同じである。
誤 標準状態における単位体積当たりの気体の総発熱量は、プロパンが約99Mj/㎥、ブタンが約128Mj/㎥である。なお、単位質量当たりの総発熱量は、プロパンもブタンも約50Mj/kgでほぼ同じである。
ハ 1molのブタンが完全燃焼したときの発熱量は、不完全燃焼したときのそれより大きい。
正
二 一般のLPガス燃焼器でLPガスを完全燃焼させる場合には、理論空気量に加え、過剰空気が必要である。
正 理論空気量のほか、さらに20〜100%の過剰空気を必要とする。
問5 LPガスの消費量が44kWの給湯機を全負荷で30分間使用した。このとき消費したLPガスは、およそ何kgになるか。ただし、LPガスの発熱量を50Mj/kgとする。
@1.6s A1.8s B2.0s C2.5s D3.2s
@ 使用した熱量(j)は、1W=1j/s=3.6kj/hであり、44kWの給湯機を全負荷で30分間使用より、44kW×3.6kj/(h
・W)×0.5h=79.2Mj
消費したLPガスの質量(kg)は、LPガスの発熱量が50Mj/kgであるから、79.2Mj÷50Mj/kg=1.58s≒1.6kg
問6 家庭用に用いられるLPガス容器、LPガス容器バルブおよびLPガス調整器について
イ 容器の材料には、一般的に鋳鉄が使用されている。
誤 LPガス容器の材料には、一般に炭素鋼が使用されている。
ロ 容器バルブには、バネ式(スプリング式)安全弁が組み込まれている。
正
ハ 容器バルブのOリングまたはバックパッキンが損傷すると、シート漏れを起こす原因となる。
誤 Oリングやバックパッキンが損傷するとバック漏れ(容器バルブを開いたとき、弁本体やグランドナットの間からのガス漏れ)を起こす。
二 自動切替式調整器の使用側の設定圧力は、予備側のそれより高くしてある。
正 使用側を0.07MPa、予備側を0.04MPaとすることが多い。
問7 家庭用に用いられるLPガス調整器について
イ 単段式調整器は、入口圧力の高低、出口流出量の変化に応じて自動的に弁の開度を調節する機構により出口圧力をほぼ一定に保つ働きをする。
正
ロ 自動切替式調整器の表示器の表示が赤色の場合は、まだ予備側の容器からガスの供給が始まっていないことを示している。
誤 表示器の表示が赤色の場合、予備側の容器からもガスの供給が始まっていることを示している。
ハ 個別供給でその消費者宅の燃焼器の合計容量が90kWであったので、6kg/hの容量の調整器を選定した。
誤 個別供給では、最大消費量の1.5倍以上の容量(単位:kg/h)のものを標準とするから、必要な調整器は90kW÷14kW/(kg/h)×1.5=9.64kg/h以上
二 単段式調整器に内蔵されている安全弁は、低圧側の圧力が規定値以上に上昇したときに、ガスの一部を大気に放出して低圧側の圧力を一定以下に保つ働きをする。
正
問8 一般消費者等に用いられるLPガス用ガスメータについて
イ 使用最大流量4.0㎥/hのマイコンメータSの検定証印等の有効期間は、10年である。
正 使用最大流量6.0㎥/h以下が10年、それを超えると7年になる。
ロ マイコンメータSは、ガスを使用中に震度5相当以上の地震を感知したときにガスを遮断する。
正
ハ ガスメータを、その底部が調整器の入口より10p高い位置になるように設置した。
正 ガスメータの設置高さは、調整器より5cm以上高い位置(ドレンの影響を受けない位置)に設置すること。
二 マイコンメータSには微少流量のガスが定められた期間を超えて流れ続けた場合、ガスを遮断し、遮断したことを表示する微少漏えい遮断機能がある。
誤 微少漏えい(流量式および圧力式)は、警告機能だけで遮断機能はない。
問9 LPガス用配管材料について
イ 集団供給方式の集合装置などの高圧配管に、配管用炭素鋼鋼管(SGP)に亜鉛めっきを施した白ガス管を使用した。
誤 高圧配管には「圧力式配管用炭素鋼鋼管(STPG)」を用いる。配管用炭素鋼鋼管(SGP)は中低圧部に用いる。
ロ 配管用フレキ管は、さや管を用いることなく埋設部に使用することができる。
誤 配管用フレキ管は、埋設部のみ「さや管」を用いなければ使用できない。
ハ 50kg型LPガス容器と単段式調整器との接合に、継手金具付高圧ホースを使用した。
正
二 過流出安全機構付ガス栓(ヒューズガス栓)は、接続されたゴム管などが外れたり切断されたりした場合に設定流量以上のLPガスが流出すると、自動的にLPガスを遮断する。
正
問10 LPガス保安用検査機器について
イ 機械式自記圧力計を用いて気密試験を行う場合、測定中の配管に温度変化があっても測定値がそれに影響されることはない。
誤 自記圧力計(機械式および電気式ダイヤフラム式)は、温度変化の影響を受けるので、温度変化を与えないように取り扱うこと。
ロ アナログ表示の接触燃焼式ガス検知器のガス濃度目盛には、一般にLPガスの爆発下限界を100として100から0までの間を20等分したものが用いられている。
正
ハ 電気式ダイヤフラム式自記圧力計を用いて気密試験を行う場合、試験終了時の大気圧が開始時に比べ低下していると、配管からの漏えいがなくても圧力計の指示値は開始時に比べ低く表示されている。
誤 電気式ダイヤフラム式自記圧力計は、気密試験等の開始時と終了時の気圧に差があると、圧力変化して捕える。気圧が1hPa(ヘクトパスカル)下がると0.10kPaの圧力上昇となる。つまり、気圧が下がると測定値は上がり、気圧が上がると測定値は下がる。
二 ボーリングバーは、地中に埋設された配管の漏えい試験の際に使用するもので、硬い表土を貫孔する。
正 ボーリングバーで硬い表土を貫孔した後、ガス検知器を用いてLPガスの漏えいの有無を確認することが多い。
問11 LPガス保安用安全機器について
イ 復帰安全機構付き耐震自動ガス遮断機は、地震で作動後その下流側に配管の破損などによる所定以上のガス漏れがあるとLPガスの供給が再開できない機構となっている
正
ロ 不完全燃焼(CO)警報器の検知部を、燃焼器から水平距離で3m、床面からの高さ10pの位置に取付けた。
誤 不完全燃焼警報器(CO)警報器の検知部は、燃焼器から水平距離で4m以内、天井面から30p以内のところに取付けること。
ハ ガス警報器(ガス漏れ警報器)のガスセンサには、半導体式センサ(熱線型半導体式センサ)と接触燃焼式センサ(熱線式センサ)がある。
正
二 張力式ガス放出防止器は、容器の揺れ、転倒などによりガス放出防止器と壁面などを連結した鎖が所定の力で引っ張られたときに遮断機構が作動してガスの放出を防止するものである。
正
問12 LPガスの燃焼について
イ イエローチップ(赤黄炎)は、二次空気が不足したときに起こる。
誤 イエローチップ(赤黄炎)は、一次空気が不足したときに起こる。
ロ 空気とガスの接触、混合が不十分なとき、不完全燃焼が起こる。
正 不完全燃焼が起こる原因は、@空気との接触、混合が不十分、A必要量の空気が不足(ガスが過大)、B燃焼排ガスの排出がスムーズでない、C炎が低温のものに触れて炎の温度が下がった、などがある。
ハ ブンゼン燃焼では、一次空気を必要としない。
誤 一次空気と二次空気の両方が必要である。
二 ブンゼン燃焼において生じるリフティング(煽火)は、炎がバーナの炎口から浮き上がって、ある距離をへだてた空間で燃焼する現象である。
正
問13 家庭用LPガス燃焼器の安全装置について
イ 立ち消え安全装置は、点火時の不点火、吹消え、立消えなどによる生ガスの放出を防止する目的で取り付けられている。
正
ロ フレームロッド方式の立ち消え安全装置は、炎の温度の変化を検知して作動する。
誤 フレームロッド方式の立ち消え安全装置は、炎の温度変化ではなく、炎の中を電流が流れることで電磁弁を開けガスを通している。炎が消えると、電流が流れなくなるので、電磁弁が閉じガス通路を閉める。
ハ 温度制御機能付きこんろの天ぷら油火災防止機能は、油が自然発火する温度に達する前に自動的にガスの通路を閉じるものである。
正 自然発火する温度(約370℃)より低い温度の約250℃で自動的にガスを止める。
二 過熱防止装置には、温度ヒューズまたはバイメタルが素子材料として用いられている。
正
問14 燃焼器の吸排気などについて
イ 燃焼器の排ガス用の排気筒の材料として、不燃性でかつ耐食性をもつステンレス鋼板SUS304を用いた。
正
ロ RF式の燃焼器は、屋内に設置するのに適している。
誤 RF式(Roof floor)燃焼器とは、屋外に設置し、吸排気を屋外で行うものである。
ハ ガスこんろは、半密閉燃焼式のガス燃焼器である。
誤 ガスこんろは、開放燃焼式のガス燃焼器である。
二 開放燃焼式の燃焼器では、燃焼に必要な空気を屋内からとり、燃焼排気ガスは排気筒により屋外に排出される。
誤 開放燃焼式の燃焼器は、燃焼用の空気を屋内からとり、燃焼排ガスをそのまま屋内に排出するものである。
問15 LPガス貯蔵施設について
イ 四方向を障壁で囲った貯蔵施設において、ガスが漏えいした時に外部にガスが流出しないよう排気口は設けなかった。
誤 四方を障壁などで囲った貯蔵施設は、LPガスが漏えいしたとき滞留しないように換気口を2方向以上に分散して設ける必要がある。
ロ 貯蔵施設から、保安物件までの距離と火気までの距離がそれぞれ十分に確保できたので、その貯蔵施設の構造を不燃性の柱と軽量形鋼製の屋根組および繊維強化セメント板の屋根だけとした。
正 保安物件や火気までの距離が確保できれば、不燃性の柱と屋根だけの開放的なものでもよい。
ハ 貯蔵施設に耐圧防爆構造の照明設備を設置した。
正 貯蔵施設の周囲2メートル以内は火気厳禁のため、貯蔵施設に照明器具(電気設備)を設置する場合、防爆構造のものとしなければならない。
二 新設の床面積3uの貯蔵施設に、A-4およびB-4の能力単位の可搬式粉末消火器を2本設置した。
誤 貯蔵施設に設置すべき粉末消火器は、可搬式で、かつ、能力単位A-4およびB-10以上のものでなければならない。
問16 LPガス個別供給方式(家庭用)の設備などについて
イ LPガス容器から発生するガスの量(ガス発生能力)は、容器中のLPガスと外気との温度差によって異なるため、温度差が大きくなる冬季の方が多く、夏季の方が少なくなる。
誤 LPガス容器からのガス発生能力は、温度差が大きくなる夏季の方が多く、冬季の方が小さくなる。
ロ LPガスの設備を計画するにあたって、配管などの立上がりおよび立下りを圧力損失の対象として考慮し、燃焼器の入口供給圧力を常に維持できるよう設計した。
正
ハ 最大ガス消費量(戸別)[kW]は、設置する全ての燃焼器の合計消費量[kW]に70%を乗じて算出する。
誤 最大ガス消費量(戸別)[kW]は、設置する全ての燃焼器の合計消費量[kW]が標準である。
二 50kg型LPガス容器2本立ての供給設備の設置に際し、地震発生時に容器が転倒しないように、鉄鎖2本を容器の底部から容器の高さの1/4および3/4の位置に掛け、家屋の壁と容器との隙間および鎖のあそびを極力少なくして固定した。
正
問17 LPガス集団供給方式の設備などについて
イ 消費者戸数50戸の中規模集団供給方式の自然気化方式の供給設備において、予備側に設置する50kg型LPガス容器の本数を、使用側で設置する本数の1/2とした。
誤 一般に自然気化方式による供給設備に設置する50kg型容器は、使用側と予備側に同本数ずつ設置する。
ロ 中規模集団供給の供給管において、消費者ごとにガスメータを取り付け、ガス栓を各ガスメータ出口側の配管だけに設けた。
誤 集団供給の場合、ガスメータ入口側の供給管にガス栓を設けなければならない。
ハ 最大ガス消費量(集団)[kW]は、次式により算出する。
最大ガス消費量(集団)[kW]=年間を通し最もLPガスの消費が多い月の1戸当たり・1日の平均ガス消費量[kW/戸]×消費者戸数[戸]×最大ガス消費率
正
二 埋設された供給管の腐食を防止するための電気防食法の流電陽極法で使用される陽極材料は、一般にマグネシウムが用いられる。
正
問18 バルク供給方式の設備などについて
イ バルク貯槽に取付けられる安全弁の元弁には、連結弁方式と手動弁方式とがあるが、特に手動弁方式では安全弁を取り外すときに元弁を閉止せずに漏えい事故を起こすことがある。
正
ロ バルク貯槽に取付けられている液面計には、大気中にLPガスを放出しながら測定するスリップチューブ式が用いられている。
誤 バルク貯槽の液面計は、LPガスを放出しながら液面を測定するもの以外のものと規定されている。一般にフロート式液面計が使用されている。
ハ 貯蔵能力980kgの地下埋設バルク貯槽の設置に際し、ガス取出配管には、バルク貯槽に附属する調整器の出口側の直近に、また、液取出配管には液取出弁の直近に、それぞれ絶縁継手を設け、バルク貯槽本体と配管を電気的に絶縁する措置を講じた。
正
二 新型バルクローリは、充てん作業中にローリの附属品操作箱内で規定値以上のガス濃度を検出した場合、ガス漏れを検知した旨の警報を発し、充てんを自動的に停止する機能を有している。
正 自動停止する機能(インターロック機能)として、「充てん中に操作箱の扉が開いた場合(いたずら防止)」、「自動車の衝突などの異常な衝撃を検知した場合」、「操作箱内のガス漏れを検知した場合」がある。
問19 LPガス工業用消費設備などについて
イ 強制気化方式の蒸発器は、そのガス発生量(気化能力)が一般に容器などの大きさ、本数の影響を受けないため、単位時間当たりの消費量が大きい施設に安定してLPガスを供給する場合に、容器による自然気化方式に比べ、容器設置場所の面積を小さくすることができる。
正
ロ 消費型蒸発器の電気式温水加温方式蒸発器の気化圧力調整弁は、気化圧力(熱交換器内の圧力)を0.1MPa未満とするために、熱交換器の出口側に設けられた附属機器である。
誤 気化圧力弁は、熱交換器の入口側に設けられ、気化圧力を1MPa未満とするものである。
ちなみに1気圧は、0.1024MPa。
ハ ダイリュートガス供給は、ダイリュートガスの発熱量を一定の範囲内において選択することができる特徴がある。
正
二 LPガスを工業用で利用する場合、灯油などの液体燃料と比較して、燃焼装置の進歩により、燃焼範囲(ターンダウンレシオ)が広くなり、精密な温度調整と雰囲気調整が容易となり、さらに自動温度調節の技術が進み、現在は精度の高い自動温度調節が簡単な操作でできるようになっている。
正
問20 LPガス充てん容器を車両に積載して移動する場合について
イ 10kg型容器4本を小型トラックで移動するので、停車時に車の移動防止のため使用する車輪止めを2個携行した。
正 内容積が20L以下の容器(8s型以下の容器)のみを移動する場合で、その内容積の合計40L以下の場合のみ、「車輪止めなどの資材および工具」を携行しなくてもよい。
ロ 50s型容器4本を車両に積載して移動する際、容器の積み込み時に、全ての容器の容器バルブのグランド部などからのガスの漏えいのないことが確認できたので、漏えい検知剤を携行しなかった。
誤 容積が20L以下の容器(8s型以下の容器)のみを移動する場合で、その内容積の合計40L以下の場合のみ、「漏えい検知剤などの資材および工具」を携行しなくてもよい。
ハ LPガスの合計質量が1200sの充てん容器をトラックで移動するので、能力単位B-10の粉末消火器1個を速やかに使用できる位置に取り付け、携行した。
誤 移動するLPガス量の合計が1000sを超えた場合、能力単位B-10以上の粉末消火器2個以上携行しなければならない。
二 トラックに50s型容器を積載して移動するので、充てん容器を荷台の前方に寄せて立積みにし、容器の後面と後バンパの後面との水平距離が50pの位置まで積載し、ロープで確実に緊縛した。
正 原則として、容器の後面と後バンパ後面との水平距離は30p以上あればよい。
2016年10月27日
平成27年度法令国家試験問題
問1
イ 高圧ガス保安法は、高圧ガスによる災害を防止して公共の安全を確保する目的のために、民間事業者による高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進することも定めている。
正
ロ 常用の温度において圧力が0.8メガパスカルである圧縮ガス(圧縮アセチレンガスを除く。)であって、温度35度においてその圧力が0.9メガパスカルであるものは高圧ガスである。
誤 常用の温度において圧力が1メガパスカル以上となる圧縮ガスであって現にその圧力が1メガパスカル以上であるもの又は温度35度において圧力が1メガパスカル以上となる圧縮ガス(圧縮アセチレンガスを除く。)と規定されている。
ハ 圧力が0.2メガパスカルとなる場合の温度が35度以下である液化石油ガスであっても、現在の圧力が0.1メガパスカルであるものは高圧ガスではない。
誤 常用の温度において圧力が0.2メガパスカル以上となる液化ガスであって現にその圧力が0.2メガパスカル以上であるもの又は0.2メガパスカルとなる場合の温度が35度以下である液化ガスと規定されている。
問2
イ 容器に充てんした高圧ガスを輸入し、陸揚げ地を管轄する都道府県知事が行う輸入検査を受ける場合、その検査対象は輸入をした高圧ガス及びその容器である。
正
ロ 第一種貯蔵所の所有者である特定高圧ガス消費者は、特定高圧ガスの消費をすることについて都道府県知事に届け出なくてもよい。
誤 「政令で定める種類の高圧ガス(以下「特定高圧ガス」と総称する。)を消費する者・・・は、事業所ごとに、消費開始の日の20日前までに、・・・都道府県知事に届け出なければならない。」と規定されている。第一種貯蔵所でも例外ではない。
ハ 特定高圧ガス消費者がその事業所において指定する場所では、何人も火気を取り扱ってはならないが、その事業所に容器に充てんされた高圧ガスを納入している販売業者は、その特定高圧ガス消費者の承諾を得ることなく、発火しやすいものを携帯して、その場所に立ち入ることができる。
誤 「何人も、・・・特定高圧ガス消費者・・・の承諾を得ないで、発火しやすい物を携帯して、・・・規定する場所に立ち入ってはならない。」と規定されているが、設問のような例外規定はない。
問3
イ 販売業者は、その所有する容器を盗まれたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事又は警察官に届け出なければならない。
正 高圧法第63条(事故届)第1項及び同項第2号に規定されている。
ロ 高圧ガスを充てんした容器が危険な状態となっている事態を発見した者は、直ちに、その旨を都道府県知事又は警察官、消防吏員若しくは消防団員若しくは海上保安官に届け出なければならない。
正 高圧法第36条(危険時の措置及び届出)第2項に規定されている。
ハ 高圧ガスの販売の事業を営もうとする者は、その高圧ガスの販売について販売所ごとに都道府県知事時の許可を受けなければならない。
誤 高圧法第20条の4(販売事業の届出)の本文に「高圧ガスの販売の事業を営もうとする者は、販売所ごとに、事業開始の日の20日前までに・・・都道府県知事又は警察官に届け出なければならない。」と規定されている。許可ではなく、届出である。
問4 液化石油ガスを充てんするための容器(再充てん禁止容器を除く。)について
イ 容器に充てんする液化石油ガスは、その容器の内容積に関係なく、容器に刻印等又は自主検査刻印等において示された最高充てん質量以下のものでなければならない。
誤 高圧法第48条(充てん)第4項第1号に容器に充てんする高圧ガスについて「・・・、液化石油ガスにあっては・・・刻印等又は自主検査刻印等において示された内容積に応じて計算した質量以下のものであること。」と規定されているが、高圧法第45条(刻印等)第1項、容器則第8条(刻印等の方式)に「最高充てん質量の刻印」は規定されていない。
ロ 容器検査に合格した容器に刻印をすべき事項の一つに、その容器が受けるべき次回の容器再検査の年月がある。
誤 高圧法第45条(刻印等)第1項、容器則第8条(刻印等の方式)第1項第9号に刻印すべき事項として「容器検査に合格した年月(内容積が4000リットル以上の容器・・・にあっては、容器検査に合格した年月日)」と規定されているが、「受けるべき次回の容器再検査の年月」は規定されていない。
ハ 容器検査に合格した容器の外面には、特に定める容器を除き、容器の所有者(容器の管理業務を委託している場合にあっては容器の所有者またはその管理業務委託者)の氏名又は名称、住所及び電話番号を明示しなければならない。
正 高圧法第46条(表示)第1項、容器則第10条(表示の方法)第1項第3号本文に規定されている。
問5 液化石油ガスを充てんするための容器(再充てん禁止容器を除く。)及びその附属品について
イ 超低温容器又は低温商機以外の容器に装置されるバルブには、そのバルブが装置されるべき容器の種類(記号 LPG)の刻印がされている。
正 高圧法第49条の3(刻印)第1項、容器則第18条(附属品検査の刻印)第1項第7号チに規定されている。
ロ 溶接容器の容器再検査の期間は、その容器の製造後の経過年数に応じて定められている。
正 高圧法第48条(充てん)第1項第5号、容器則第24条(容器再検査の期間)第1項第1号および同項第2号に規定されている。
ハ 容器の廃棄をする者は、くず化し、その他容器として使用することができないように処分しなければならないが、容器の附属品の廃棄をする者についてはその定めはない。
誤 高圧法第56条(くず化その他の処分)第3項に「容器の所有者は、容器再検査に合格しなかった容器について・・・くず化し、その他容器として使用することができないように処分しなければならない。」、同条第4項に「前3項の規定は・・・附属品検査又は附属品再検査に合格しなかった附属品について準用する。・・・」と規定されている。
問6 特定高圧ガス消費者が消費する特定高圧ガス消費者が消費する特定高圧ガス以外の液化石油ガス(液化石油ガスを燃料として使用する車両において、その車両の燃料の用のみに消費される液化石油ガスを除く。)の消費に係る技術上の基準について液化石油ガス保安規則上正しいもの
イ 充てん容器及び残ガス容器を加熱するときは、温度40度以下の温湯を使用することができる。
正
ロ 液化石油ガスを充てんした容器を転落、転倒等による衝撃を受けないようにすれば、消費した後にバルブの損傷を防止する措置を講じる必要はない。
誤 高圧法第24条の5(消費)、液石法第58条(その他消費に係る技術上の基準)第6号に「消費した後は、バルブの損傷を防止する措置を講じること。」と規定されているが、設問のような例外規定はない。
ハ 「焼却炉の燃料のための消費施設には、所定の場所に液化石油ガスの漏えいを検知し、かつ、警報するため設備を設けなければならない。」旨の定めは、その消費施設の液化石油ガスの貯蔵能力が1000キログラム未満の場合には適用されない。
誤 高圧法第24条の5(消費)、液石法第58条(その他消費に係る技術上の基準)第10号で引用される液石法第53条(特定高圧ガスの消費者に係る技術上の基準)第1項第5号に規定されているが、設問のような例外規定はない。
問7 車両に積載した容器(内容積が20リットルを超えるもの)による液化石油ガスの移動に係る技術上の基準等について液化石油ガス保安規則上正しいもの
イ 液化石油ガスを移動するときは、消火設備及び災害発生防止のための応急措置に必要な資材および工具等を携行しなければならない。
正
ロ 液化石油ガスの充てん容器又は残ガス容器は、その内容積にかかわらず、消防法に規定する危険物と同一の車両に積載して移動してすることができる。
誤 高圧法第23条(移動)第1項及び第2項、液石則第49条(その他の場合における移動に係る技術上の基準)第6号に「充てん容器等は、消防法・・・に規定する危険物と同一の車両に積載して移動してはならない。ただし、内容積120リットル未満の充てん容器等と同法別表に掲げる第四類の危険物との場合にあっては、この限りでない。」と規定されている。内容積120リットル未満(50キログラム型以下)の充てん容器等(1本当たり)でなければ、第四類の危険物(灯油など)との混載はできない。
ハ 質量3000キログラム以上の液化石油ガスを移動するとき、第二種販売主任者免状の交付を受けている者であれば、その者が高圧ガス保安協会が行う液化石油ガスの移動についての講習を受けていなくても、その移動について監視させることができる。
誤 高圧法第23条(移動)第1項及び第2項、液石則第49条(その他の場合における移動に係る技術上の基準)第8号で準用する液石則第48条(車両に固定した容器による移動に係る技術上の基準)第14号に「質量3000キログラム以上の液化石油ガスを移動するときは、甲種化学責任者免状、乙種化学責任者免状、丙種化学責任者免状、甲種機械責任者免状若しくは乙種機械責任者免状の交付を受けている者又は高圧ガス保安協会が行う気化石油ガスの移動についての講習を受け、当該講習の検定に合格した者に液化石油ガスの移動について監視させること」と規定されている。第二種販売主任者免状の交付者は含まれていない。
問8 液化石油ガス保安規則上正しいもの
イ 液化石油ガスの廃棄は、火気を取り扱う場所又は引火性若しくは発火性のものをたい積した場所及びその周囲8メートル以内を避け、かつ、通風の良い場所で少量ずつ行わなければならない。
正
ロ 販売業者が販売する液化石油ガスを購入して消費する者に、所定の方法により、災害の発生の防止に関し必要な所定の事項を周知させなければならない場合、その周知させるべき時期は、「販売契約を締結したとき及び周知してから1年以上経過して液化石油ガスを引き渡したときごと」である。
正
ハ 特定高圧ガス消費者に係る液化石油ガスの消費施設の減圧設備の外面から第一種保安物件に対して有すべき第一種設備距離は、その減圧設備に接続する貯蔵設備の貯蔵能力から算出される。
正
問9 液化石油ガスの販売業者について液化石油ガス保安規則上正しいもの
イ 販売する液化石油ガスを購入する者が他の販売業者である場合であっても、その液化石油ガスの引渡し先の保安状況を明記した台帳を備えなければならない。
正
ロ 販売所の販売主任者には、第二種販売主任者免状又は所定の製造保安責任者免状の交付を受け、かつ、液化石油ガスの製造又は販売に関する6か月以上の経験を有する者を選任することができる。
正
ハ 販売主任者の選任について都道府県知事に届出をしようとするときは、所定の届出にその選任した販売主任者が交付を受けている免状の写しを添えて提出しなければならない。
正
問10 販売業者が質量1.5キログラムを超える液化石油ガスの容器(液化石油ガスを燃料として使用する車両に固定した容器(その車両の燃料の用のみに供するものに限る。)を除く。)により貯蔵する場合の技術上の基準について保安規則上正しいもの
イ 液化石油ガスの貯蔵は、特に定められた場合を除き、車両に積載した容器により貯蔵してはならない。
正
ロ 容器置場の周囲2メートル以内においては、特に定める措置を講じた場合を除き、火気の使用を禁じ、かつ、引火性又は発火性のものを置いてはならない。
正
ハ 充てん容器及び残ガス容器(それぞれ内容積が5リットル以下のものを除く。)には、転落、転倒等による衝撃及びバルブの損傷を防止するための措置を講じ、かつ、粗暴な取扱いをしてはならない。
正
問11
イ 現に液化石油ガスを充てんしてある容器であって、液化石油ガスが充てんされた後にその質量が充てん時における質量の2分の1以上減少していないものは、「充てん容器」である。
正
ロ 「一般消費者等」には、液化石油ガスを飲食物の調理のための燃料として鉄道車両内における業務の用に供する者も含まれる。
誤 液石法第2条(定義)第2項、同法施行令第2条(一般消費者等)第1号に「・・・飲食物の調理(船舶その他経済産業省令で定める施設内におけるものを除く。)のため・・・」、同法規則第2条に「・・・施行令第2条第1号の・・・省令で定める施設は、鉄道車両及び航空機とする。」と規定されている。鉄道車両内における業務の用に供する者は含まれない。
ハ 液化石油ガス法は、液化石油ガスによる災害を防止し、もって公共の福祉を増進するために、保安機関の健全な発展を図ることも目的としている。
誤 液石法第1条(目的)に「この法律は、一般消費者等に対する液化石油ガスの販売、液化石油ガス器具等の製造および販売等を規制することにより、液化石油ガスによる災害を防止するとともに液化石油ガスの取引を適正にし、もって公共の福祉を増進することを目的とする。」と規定されているが、保安機関の健全な発展については、法の目的に記載されていない。
問12
イ 1つの都道府県の区域内のみ販売所を設置して液化石油ガス販売事業を行おうとする場合にあって、その事業の登録を受けようとする者は、その販売所の所在地を管轄する都道府県知事に所定の事項を記載した申請書を提出しなければならない。
正 液石法第3条(事業の登録)第1項及び第2項、同法規則第4条(販売事業の登録申請等)に規定されている。
ロ 充てん設備を用いて供給設備ごとに液化石油ガスを充てんしようとする者は、液化石油ガス販売事業者の販売所ごとに都道府県知事の許可を受けなければならない。
誤 液石法第37条の4(充てん設備の許可)第1項に「供給設備に液化石油ガス・・・を充てんしようとする者は、供給設備に液化石油ガスを充てんするための設備(以下「充てん設備)という。)ごとに、その・・・所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。」と規定されている。販売所ごとではなく、充てん設備ごとに許可を受けなければならない。
ハ 貯蔵施設は、第一種保安物件に対し所定の強度を有する構造の障壁を設けない場合、その外面から第一種保安物件に対し第一種施設距離以上の距離を有しなければならない。
正
問13
イ 貯蔵能力が3000キログラム以上の供給設備であって、容器のみが設置されている貯蔵施設には、特定供給設備の技術上の基準が適用される。
正 液石法第16条の2第1項、同法規則第21条(特定供給設備)第1項に「・・・省令で定める供給設備は、・・・貯蔵設備が容器である場合にあっては、その貯蔵能力が3000キログラム以上のもの、・・・貯槽又はバルク貯槽が含まれる場合にあっては、その貯蔵能力が1000キログラム以上のものに限る。・・・」と規定されている。
ロ 保安機関は、保安業務を行うべきときは、定められた基準に従ってその保安業務を行わなければならないが、特に定められた場合はその保安業務を行わなくてよい。
正 液石法第34条(保安機関の業務等)第1項に「保安機関は・・・省令で定める基準に従って、その保安業務を行わなければならない。ただし、・・・保安業務を行うべき場所に立ち入ることにつき、その所有者又は占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでない。」と規定されている。
ハ 液化石油ガス販売事業者は、その販売契約を締結している一般消費者等に対し保安業務の全部について自ら行おうとするときのみ、保安機関としての認定を受けなければならない。
誤 液石法第27条(保安業務を行う義務)第3項に「・・・保安業務の全部又は一部について自ら行おうとするときは、・・・認定を受けなければならない。」と規定されている。
問14 液化石油ガス販売事業者が選任する業務主任者又は業務主任者の代理者について
イ 液化石油ガス販売事業者が販売所ごとに選任しなければならない業務主任者の要件は、その者が第二種販売主任者免状の交付を受け、かつ、液化石油ガスの販売の実務に6か月以上従事した経験を有することである。
正 液石法第19条(業務主任者)第1項、同法規則第22条(業務主任者の選任等)第3項(免状の種類)及び第4項(実務経験)に規定されている。
ロ 液化石油ガス販売事業者が一般消費者等と液化石油ガス販売契約を締結したときに、その一般消費者等に所定の書面を交付しなければならないが、その書面の作成を指導することは、業務主任者の定められた職務の一つである。
正 液石法第14条(書面の交付)第1項(交付時期)本文及び同法第20条第1項、同法規則第24条(業務主任者の職務)第2号に規定されている。
ハ 液化石油ガス販売事業者は、平成24年2月1日に第二種販売主任者免状の交付を受け、かつ、業務主任者に選任されたことのない者を平成27年11月1日に業務主任者に選任した場合、その選任の日から6か月以内に、その者に第1回の定められた講習を受けさせなければならない。
正 液石法第19条(業務主任者)第3項、同法規則第23条(業務主任者の講習)第3項に規定されている。
問15 保安機関について
イ 保安機関が行う保安業務に係る供給設備の点検のうち、4年に1回以上の回数で行う点検を実施することのできる者は、充てん作業者講習の課程を終了した者に限られている。
誤 液石法第27条(保安業務を行う義務)第1項第1号、同法規則第36条(供給設備の点検の方法)第1項第2号イ及びハに点検する者として「液化石油ガス設備士、製造保安責任者免状若しくは販売主任者免状の交付を受けている者、業務主任者の代理者の資格を有する者、充てん作業者講習の課程を終了した者又は事項に定める要件に適合する者」が規定されている。
ロ 保安機関が消費設備を調査した場合において、その消費設備が所定の技術上の基準に適合していないと認め、その所有者又は占有者に所定の通知をしたときは、その通知事項について定められた期間内に再び調査を行うことと定められている。
正 液石法第27条(保安業務を行う義務)第1項第2号、同法規則第37条(消費設備の調査の方法)第2号に「・・・調査の結果、・・・の通知をしたときは、・・・その通知の日から1月を経過し、かつ、6月を経過しない期間内に再び当該通知に係る事項について調査を行うものとする。」と規定されている。
ハ 保安機関は、液化石油ガス販売事業者の販売する一般消費者等に係る保安業務の委託を受けた場合、その委託を受けた液化石油ガス販売事業者ごとに、その保安業務に関し所定の事項を記載した帳簿を備え、記載の日から所定の期間保存しなければならない。
正
問16 液化石油ガスの販売の方法の基準について
イ 液化石油ガス販売事業者は、新たに一般消費者等に液化石油ガスを供給する場合において、その一般消費者等に液化石油ガスを供給する他の液化石油ガス販売事業者の所有する供給設備が既に設置されているときは、その所有する液化石油ガス販売事業者の同意を得て、その供給設備を撤去することができる。
正 液石法第16条(基準適合義務等)第2項、同法規則第16条(販売の方法の基準)第15号の2ただし書きに規定されている。
ロ 一般消費者等から液化石油ガス販売契約の解除の申し出があった場合において、液化石油ガス販売事業者は、その一般消費者等から要求があった場合には、その一般消費者等が所有する消費設備を消費設備を適正な価格で引き取らなければならない。
誤 液石法第16条(基準適合義務等)第2項、同法規則第16条(販売の方法の基準)第17号に「・・・消費設備に係る配管であって液化石油販売事業者が所有するものについては、・・・適正な対価で一般消費者等に所有権を移転すること。」と規定されているが、設問のような規定はない。
ハ 液化石油ガスを内容積20リットル以下の容器により販売する場合は、質量により販売することができる。
正 液石法第16条(基準適合義務等)第2項、同法規則第16条(販売の方法の基準)第13号のただし書きに規定されている。
問17 液化石油ガスの販売の方法の基準について
イ 充てん容器を供給管若しくは配管又は集合装置に接続するときは、その充てん容器は、充てん期間を6か月以上経過していないものであり、かつ、その旨を明示したものでなければならない。
正 液石法第16条(基準適合義務等)第2項、同法規則第16条(販売の方法の基準)第2号に規定されている。
ロ 貯蔵施設に置かれる充てん容器は、その温度を常に50度以下に保つべき定めがある。
誤 液石法第16条(基準適合義務等)第2項、同法規則第16条(販売の方法の基準)第8号に「貯蔵施設に置かれる充てん容器等は、常に40度以下に保つこと。」と規定されている。
ハ バルク貯槽については、所定の方法により検査を行う定めはない。
誤 液石法第16条(基準適合義務等)第2項、同法規則第16条(販売の方法の基準)第22号に「バルク貯槽は、告示で定めるところにより検査を行うこと。」と規定されている。
問18 供給設備(特定供給設備及びバルク供給に係る供給設備を除く。)の技術上の基準について
イ 供給管は、損傷を防止する措置を講じたものであっても建物の基礎面下に設置することはできない。
正 液石法第16条の2第1項、同法規則第18条(供給設備の技術上の基準)第13号に規定されているが、建物の基礎面下に設置できる例外規定はない。
ロ 容器のみの貯蔵施設において貯蔵能力が500キログラム以下1000キログラム未満の供給設備に係る供給管には、いかなる場合でも供給管の内部に滞留する液化物を排除することができる措置を講じる必要はない。
誤 液石法第16条の2第1項、同法規則第18条(供給設備の技術上の基準)第16号に「内部に液化物の滞留するおそれのある供給管(貯蔵能力が500キログラム以上の貯蔵設備に係るものに限る。)には、液化物を排除することができる措置を講じること。」と規定されている。
ハ 1つの供給設備により2つ以上の消費設備に液化石油ガスを供給する場合は、一般消費者等への液化石油ガスの供給を中断することなく充てん容器及び残ガス容器の交換を行うことができる設備を設けなければならない。
正
問19 供給設備(特定供給設備を除く。)の技術上の基準について
イ バルブ、集合装置、気化装置及び供給管のうち、漏えい試験に合格するものでなければならないのは、バルブ、集合装置及び供給管である。
誤 液石法第16条の2第1項、同法規則第18条(供給設備の技術)第10号に「バルブ、集合装置、気化装置及び供給管は、漏えい試験に合格するものであること。」と規定されている。
ロ 二段式減圧用一次側調整器と二次側調整器の間の硬質管である供給管は、その設置または変更の工事の終了後に所定の圧力による気密試験に合格するものでなければない。
正
ハ 調節器(二段式減圧用一次側のものを除く。)とガスメーターの間の供給管その他の設備(ガスメーターを含む。)であって、生活の用に供する液化石油ガスに係るものは、燃焼器の入口における液化石油ガスの圧力を2.0キロパスカル以上3.3キロパスカルいかに保持するものでなければならない。
正
問20 消費設備(質量により液化石油ガスを販売する場合におけるものを除く。)の技術上の基準について
イ 燃焼器は、消費する液化石油ガスに適合したものでなければならない。
正
ロ 屋内に設置されている密閉式のガス湯沸器(暖房兼用のものを含む。)の給排気部の天井裏、床裏等にある部分(吸気に係る部分を除く。)は、金属以外の不燃性の材料でおおわれていなければならない。
正
ハ 屋内に設置する所定の燃焼器の排気筒に接続される排気扇には、これが停止した場合に燃焼器への液化石油ガスの供給を自動的に遮断する装置が設けられていなければならない。
正
2016年10月23日
平成26年度 保安管理技術試験問題
問1
イ プロパンは、分子式C3H8で表されるパラフィン系炭化水素である。
正
ロ アボガドロの法則によると、すべての気体1molは、標準状態(0℃、0.1013MPa)で同一の体積を占める。
正
ハ 一定圧力のもとでは、一定質量の理想気体の体積はその絶対温度に比例する。
正 シャルルの法則。
二 1000Paは、1MPaである。
誤 1000Pa=1kPa 1MPa=1000kPa
問2
イ 1Pa=1N/u
正 圧力[Pa](パスカル)は物体の単位面積1u当たりに作用する力[N](ニュートン)である。
ロ 1W=1j/s
正 動力(仕事率)[W](ワット)は、単位時間[s](秒)当たりになされる仕事の量[j](ジュール)である。
ハ 1N=1kg・u/S2
誤 力の単位にニュートン[N]が用いられ、1Nとは、質量1sの物体に作用し、1m/S2n加速度を生ずる力であるから1N=1kg×1m/s2=1kg・m/s2である。
二 1j=1N・m
正 1Nの力が物体に働いて1mの距離を動かすときの仕事を1jという。
問3
イ 標準状態(0℃、0.1013MPa)におけるプロパンガスの比重は、およそ1.5である。
正 標準状態における空気1molの質量は29g、プロパン1molの質量は44gであるから、プロパンガスの比重は44g÷29g≒1.5
ロ プロパンは、標準状態(0℃、0.1013MPa)において液が気化すると、その体積はおよそ400倍となる。
誤 0℃におけるプロパンの液密度を0.53kg/Lとすると、44sの液状プロパンは、44s÷0.53kg/L=83L
気体のプロパンは、標準状態において1molは44gで、かつ、22.4Lである。また、44sは44000gであるから、44000g÷44g/mol×22.4L/mol=22400L よって、液体が気化すると、22400L÷83L≒270 およそ270倍となる。
ハ 20℃におけるプロパンの飽和蒸気圧は、ブタンのそれよりも高い。
正 プロパン0.73MPa、ブタン0.11MPa
二 ブタンには異性体がある。
正 異性体とは、分子式は同じであるが構造式が異なる物質をいう。ブタンの場合、n-ブタンとイソブタンの2種類の異性体がある。
問4
イ 常温、大気圧、空気中におけるLPガスの爆発範囲は、水素のそれより広い。
誤 常温、大気圧、空気中における爆発範囲は、LPガス1.8〜11.1vol%、水素は4.0〜75.0vol%である。
ロ 爆発範囲は、通常、空気と可燃ガスとの混合気体中の可燃ガスの体積パーセントで表す。
正
ハ 常温、大気圧化において、プロパンは、空気中の混合割合が15vol%のとき燃焼する。
誤 常温・大気圧・空気中において、プロパンの爆発範囲は、2.1〜9.5vol%である。爆発範囲とは、可燃性ガスと空気又は酸素との混合気体において、その混合気体が燃焼で切る混合割合をいう。設問の15vol%は、プロパンの爆発上限界(9.5vol%)を超えているため燃焼しない。
二 プロパン1sを完全燃焼させたときの総発熱量は、およそ99Mjである。
誤 プロパン1molの完全燃焼方程式は、次のとおり。C3H8+5O2=3CO2+4H2O+2219j
1s(質量)当たりの熱量に換算すると、2219kj/mol÷44g/mol×1000g/kg≒50Mj/kg
1㎥(体積)当たりの熱量に換算すると、2219kj/mol÷22.4L/mol×1000L/㎥≒99Mj/㎥
99Mjは、プロパン1㎥を完全燃焼させたときの総発熱量である。
問5 プロパン70mol%、ブタン30mol%の混合ガス1molを完全燃焼させるために必要な理論空気量は、標準状態(0℃、0.1013MPa)のもとではおよそ何Lか。ただし、空気中の酸素含有量を21vol%とする。
@470L A525L B580L C645L D710L
B ・必要な酸素量(mol)を求める。
プロパンの完全燃焼方程式C3H8+5O2=3CO2+4H2O プロパン1molを完全燃焼させるために必要な酸素量は5molである。
ブタンの完全燃焼方程式C4H10+6・1/2O2=4CO2+5H2O ブタン1molを完全燃焼させるために必要な酸素量は6.5molである。
従って混合ガス(プロパン70mol%、ブタン30mol%)1molの燃焼に必要な酸素量は、(5mol×0.7)+(6.5mol×0.3)=5.45mol
・必要な空気量を求める。
酸素は空気中に21vol%含まれているので、酸素5.45molに相当する空気の物質量は、5.45mol÷0.21=25.95mol
・理論空気量を求める。
アボガドロの法則により、気体1molは標準状態(0℃、0.1013MPa)で22.4Lの体積を占めることから、25.95mol×22.4L/mol=581.28L≒580L
問6 一般消費者等に用いられる50s型LPガス容器とその容器バルブおよびLPガス調整器について
イ 消費先に設置された容器は、底部より肩部のほうが腐食しやすい。
誤
ロ 容器には、溶接容器が使われている。
正
ハ 容器バルブの充てん口のねじは、左ねじである。
正
二 容器バルブと調整器を高圧ホースで接続するので、調整器はその入口の位置を容器バルブより6p低くなるように設置した。
誤 調整器はその入口を容器バルブより5p以上高くなるように設置し、再液化したLPガスまたはドレンなどが調整器の入口部に滞留しないようにする。
問7 一般消費者等に用いられるLPガス調整器について
イ 自動切替式調整器は、使用側容器の圧力が0Paになった時点で予備側容器からのLPガスの供給が開始される機能を有している。
誤 自動切替式調整器は、使用側の容量が不足し圧力が低下(一般には、0.07MPa)すると予備側容器からのLPガスの供給が開始される機構を有している。従って、使用側容器の圧力が0Paになった時点で予備側容器からLPガスが供給されるということではない。
ロ 二段式二次用調整器は、単段式調整器の代わりとして使用してはならない。
正 入口圧力の上限が0.1MPaまたは0.15MPa(一般にいう中圧)に設計されているから、入口圧力の上限が1.56MPa(一般にいう高圧)である単段式調整器の代わりに使用してはならない。
ハ 一般消費者の住宅1戸に調整器を設置する際、その住宅に設置されているすべてのLPガス燃焼器の合計容量の1.5倍の容量を有する調整器を選定した。
正 戸建て住宅に設置する調整器は、最大消費数量の1.5倍の容量(kg/h)のものを標準としている。
二 単段式調整器の安全弁は、高圧側に設けられている。
誤 調整器の低圧側に安全弁が設けられている。低圧側に設けられる理由は、調整器が閉そく不良などを起こし低圧側が異常圧力になると、ガス漏れ、ガスメータの破損などを起こし事故の原因となるからである。
問8 一般消費者等に用いられるLPガス用ガスメータについて
イ ガスメータには実測式と推測式があり、マイコンメータSは推測式である。
誤 マイコンメータSは、実測式(膜式)である。なお、マイコンメータEは、推測式(超音波式)である。


ロ ガスメータの容量は、そのメータの使用最大流量のことを言い、通常㎥/hで表記される。
正
ハ マイコンメータSの合計・増加流量遮断値は、無段階自動選定機能により、消費者宅のガス使用パターンに合わせた最適な値が設定される。
正 マイコンメータSは、消費者宅のガスの消費パターンを学習する機能がある。
二 マイコンメータSは、CO中毒事故を防止するため、CO中毒対策流量区分の使用時間を制限することができる。
正 マイコンメータSは、不完全燃焼防止機能の付いていない4・5号の解放式湯沸器を使用し、かつ、ふろがまのない消費者宅のCO中毒対策流量区分の使用時間を制限(20分)する設定ができる。
問9 LPガス用配管材料について
イ 圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)は、同一呼び径の場合、スケジュール番号の大きいほうが肉厚が厚く耐圧性能も優れている。
正
ロ ガス用ポリエチレン管は、直射日光に強く、屋外露出配管に使用できる。
誤 ガス用ポリエチレン管(PE管)は腐食のおそれがほとんどなく、かつ、可とう性もあるが、熱や直射日光に弱い。そのため埋設部専用で、屋外露出配管などには使用が禁じられている。
ハ LPガス充てん容器と単段式調整器の接続に、LPガス用継手金具付低圧ホースを使用した。
誤 充てん容器と単段式調整器とを接合するために用いられるものは、LPガス用継手金具付高圧ホースである。LPガス用継手金具付低圧ホースは、調整器の出口と供給管との接続に用いられる。
二 ねじ込み継手の組み合わせによって埋設部の管系統に可とう性を持たせておく場合に、接手部のシール材として不乾性のものを使用した。
正 乾性のシール材を塗布して接続した場合、柔軟性を失い、振動や衝撃に耐えて気密を保つことはできない。
問10 LPガス保安用検査機器について
イ マノメータは、低圧専用の圧力計であって、精度も高く故障も少ないので、機械式自動圧力計の比較検査に使用することができる。
正
ロ 接触燃焼式ガス検知器は、半導体式ガス検知器に比べ、微少漏えい個所を検知する能力に優れている。
誤 微少漏えい個所を検知することを目的に開発されたものが、半導体式ガス検知器である。
ハ 地中に埋設されたポリエチレン被膜鋼管の位置(場所・深さ)を確認するため、パイプロケータを使用した。
正 パイプロケータは埋設管検知器ともいわれ、金属製の埋設管を探知(場所と深さ)することができる。
二 CO濃度測定器は、不完全燃焼防止装置が未装着の解放式燃焼器などを対象に排ガス中のCO濃度の測定に使用される。
正
問11 保安用安全機器について
イ 耐震自動ガス遮断機には復帰安全機能が組み込まれていて、その下流側に所定量以上のガス漏れがある場合は復帰できない。
正
ロ 不完全燃焼警報器(CO警報器)には、LPガスのガス漏れ警報器と組み合わされた複合型のものがある。
正 不完全燃焼警報器(CO警報器)には、「複合型」以外に検知と警報の機能が同一のケースにまとめられた「一体型」、検知部と警報部が分離されており、これらをコードで接続した「分離型」がある。
ハ ガス警報器(ガス漏れ警報器)のガスセンサには、熱線型半導体式センサだけが使用されている。
誤 ガス警報器のガスセンサには、半導体式(熱線型半導体式)センサと接触燃焼式(熱線式)センサの2方式がある。
二 マイコンメータSの圧力式微少漏えい警告機能は、ガスを使用しているとき、マイコンメータに内蔵されている圧力センサによりマイコンメータの入口から末端ガス栓の入口までの漏えいをチェックし、漏えいを検知した場合には警告を表示する。
誤 マイコンメータSの圧力センサが漏えいの有無をチェックするのはガスを使用していないときであり、また、監視する範囲は、「調整器出口から燃焼器入口まで」である。
問12 ガスの燃焼について
イ 炎が低温度のものに触れてその炎の温度が下がると、不完全燃焼を起こすことがある。
正 設問以外の不完全燃焼の原因は、「空気との接触。混合が不十分」、「空気量の不足あるいはガス量が過大」、「燃焼排ガスの排出がスムーズでない」などである。
ロ LPガスをガスバーナで燃焼させる場合には、燃焼方式にかかわらず一次空気と二次空気を必要とする。
誤 一次空気のみの燃焼方式として全一次空気式燃焼(赤外線ストーブなど)がある。また、二次空気のみの燃焼方式として全二次空気式燃焼がある。
ハ 一次空気が不足して炎の先端が赤黄色になって燃えている現象をイエローチップという。
正
二 フラシュバック(逆火)は、点火時や消火時には起こらない。
誤
問13 家庭用LPガス燃焼器について
イ ガスコンロの調理油過熱防止機能は、油温がおよそ400℃に上昇すると自動的にガスを止め、油火災の発生を防止するものである。
誤 調理油過熱防止機能(天ぷら油火災防止機能)は、油が自然発火する370℃付近の温度に達する前のおよそ250℃になると、自動的にガスを止め、油火災の発生を防止する。
ロ 開放燃焼式の瞬間湯沸器の不完全燃総防止装置は、室内の酸素濃度の低下、熱交換器のフィン詰まりなどによってバーナが不完全燃焼した場合に、バーナへのガス供給を止めるものである。
正
ハ 屋外用給湯器の凍結予防装置は、常時ごく微量のガスを燃焼させ、その熱を利用して燃焼器本体の残留水の凍結を防ぐものである。
誤 屋外式給湯器の凍結予防装置は、ガスを燃焼させるのではなく、電気ヒータを用いて加温している。
二 立ち消え安全装置は、点火操作時の不点火、吹消えなどによる生ガスの放出を防止する目的で取り付けられている。
正
問14 換気及び燃焼器の給排気について
イ 室内で開放燃焼式の燃焼器を使用する場合、換気不足によって生じる一酸化炭素(CO)中毒および酸素欠乏症の発生に注意する必要がある。
正
ロ CF式は、燃焼用の空気を屋内から取り入れ、燃焼排ガスを排気用送風機(排気扇)を用いて屋外に排出する方式である。
誤 CF式(closed flue systems)燃焼器とは、燃焼用の空気を屋内からとり、燃焼排ガスを排気筒を用いて自然通気力により屋外に排出するものである。設問は「FE式(forced exhaust systems)」。
ハ FF式は、給排気用送風機および給排気筒により、燃焼用の空気を屋外から取り入れ、燃焼排ガスを強制的に屋外に排出する方式である。
正 FF式(forced flue systems)
二 燃焼器の排気筒の材料として、不燃性でかつ十分な耐食性をもつステンレス鋼板SUS304を用いた。
正 排気筒の材料としては、ステンレス鋼板SUS304またはこれと同等以上のものを用いることとされている。
問15 LPガス販売事業者の貯蔵施設について
イ 貯蔵施設の障壁は、高さを2.0mとし、かつ対象の保安物件を有効に保護できるものとした。
正 貯蔵施設の障壁は、対象の保安物件を有効に保護できるもので、その高さは1.8m以上必要である。
ロ 貯蔵施設の屋根に、繊維強化セメント製の軽量な材料を使用した。
正 貯蔵施設の屋根の構造は、不燃性または難燃性の材料を使用した軽量なものでなければならない。軽量な屋根材料として、繊維強化セメント板、薄鉄板、アルミニウム板などがある。
ハ 四方を障壁で囲われた床面積10uの貯蔵施設に、面積900㎠の換気口を4ケ所、床面に接し、かつ、外気に面した位置に2方向に分散して設置した。
正 貯蔵施設の換気口は、床面積1uにつき300㎠の割合で計算した面積以上でなければならない。また、四方を障壁などで囲まれている場合には、換気口を2方向以上に分散して設ける必要がある。この設問の場合、換気口として必要な面積は、10u×300㎠/u=3000㎠ 排気口として設置した面積は、900㎠×4ケ所=3600㎠
また、排気口の位置が2方向以上に分散されているので、問題なし。
二 新設した床面積3uの貯蔵施設に、能力単位がA-5およびB-12の可搬式粉末消火器を1個設置した。
誤 設置すべき粉末消火器の最小個数は、貯蔵施設の床面積50u当たり1個として算出した個数以上または2個のうちいずれか大なる数である。この設問の場合、床面積当たりの個数は、3u÷50(u/個)=0.06個 ⇒ 1個 従って2個以上必要。なお、可搬式粉末消火器等は、能力単位がA-4およびB-10以上でなければならない。
問16 LPガス個別供給方式(家庭用)の供給設備などについて
イ 自動切替式一体型調整器を用いた50s型LPガス容器2本立ての供給設備では、消費を中断することなく容器交換を行うことができ、かつ、容器の残液を極力減らすことができる。
正
ロ 供給設備においては、消費開始後、時間の経過とともにLPガス容器内の液の温度は低下し、液と外気との間に生じる温度差により、蒸発熱が外気から供給されるようになる。
正
ハ 容器の設置本数を算定する場合の最大ガス消費量(戸別)[kw]を、燃焼器の合計消費量[kw]の0.8倍で求めた。
誤 最大ガス消費量(戸別)[kw]=燃焼器の合計消費量[kw]
二 50s型LPガス容器を腐食防止のため、風通しのよい湿気の少ない場所に設置した。
正
問17 LPガス集団供給方式の供給設備について
イ 中・高層共同住宅の中規模集団供給設備において、自動切替式分離型調整器を貯蔵施設などに設置し、建物の各階または各戸ごとに二段式二次用調整器を設置する方式を中圧供給方式という。
正
ロ 小規模集団供給方式(2戸〜10戸)の容器設置本数の算定は、二系列の場合、次式により求める。ただし、LPガス1kg/hを14kwとする。また、この供給設備はLPガス集中管理システムによる残量管理は行わない。
容器設置本数(片側:本)=(最大ガス消費量(集団)[kw]×0.7×1.1)÷(標準ガス発生能力[kg/(h・本)]×14
正
ハ 貯蔵能力1000sの貯蔵設備において、貯蔵設備から最も近い部分の供給管の立ち上がり部の下端にドレン抜きを設けた。
正 貯蔵能力が500s以上の設備にあっては、供給管の立ち上がり部の下端にドレン抜きを設けなければならない。
二 流電陽極法は、小口径で延長が短い鋼管や被覆部分に損傷のある被覆鋼管など、防食対象面積が比較的小さい埋設管の防食には適していない。
誤 流電陽極法(陽極材料として、マグネシウムが一般的に使用されている。)は、比較的簡便な電気防食法であるが発生電流が少ないため、小口径で延長が短い鋼管など防食対象面積が比較的小さい埋設管の防食に適している。
問18 バルク供給方式の設備等について
イ バルク貯槽の液取入弁に取り付けられているカップリング用液流出防止装置は、充てん中の新型バルクローリからの過充てんを防止する機能を有している。
誤 カップリング用液流出防止装置は、充てん設備(新型バルクローリ)の充てんホースの先端に取り付けられているセイフティカップリングとの接続・切り離し時に、大気へLPガスを漏らさずに行えるようにするものである。過充てんを防止する機能はない。
ロ バルク貯槽を2基接続して設置するので、バルク貯槽間において液移動が発生しないように対策を施した。
正 バルク貯槽は、単独で設置することが原則である。接続して複数設置する場合は、液移動(温度の高いバルク貯槽から温度の低いバルク貯槽に気体のLPガスが流れて再液化し、温度の低いバルク貯槽内の液量が増加する現象。)が発生しないように対策を施す必要がある。
ハ 地下埋設のバルク貯槽を設置するので、バルク貯槽を浮き上がり防止コンクリート板にベルト掛けで固定した。
正
二 新型バルクローリは充てん中にいたすらなどで操作箱の扉が開いた場合充てんを自動的に停止するが、自動車が衝突した場合には充てんを自動停止する機能はない。
誤 自動停止する機能(インターロック機能)が作動する場合として、「充てん中に操作箱の扉が開いた場合(いたずら防止)」、「自動車の衝突などの異常な衝撃を検知した場合」、「操作箱内のガス漏れを検知した場合」がある。
問19 LPガス工業用消費設備などについて
イ 消費型蒸発器のサーモバルブは、気化圧力(熱交換器内の圧力)を1MPa未満とするために設けられた附属機器である。
誤 消費型蒸発器のサーモバルブは、熱媒の温度低下を検知し、液状のLPガスの流出を防止するための附属機器で、液流出防止装置ともいう。設問は「気化圧力調整弁」。
ロ 50s型容器による供給設備において、蒸発器が電気系統の機能を失うなどにより蒸発器からのLPガスの供給が停止した場合に自然気化によりLPガスが供給できるようにするため、ピーク時のLPガス消費量に応じて算定した予備容器群を設置した。
正
ハ ダイリュートガス発生装置の蒸発器内に組み込まれたLPガスに空気を混入する混合装置(ミキサ)として多く使用されているのは、空気を吸引混合する方式のベンチュリ管である。
正
二 工業用燃料として使用されているLPガスのガス炉や乾燥炉には、異常事態による失火・消炎をキャッチして、ガス供給を遮断し、警報を発する安全装置が設置されている。
正
問20 50s型LPガス充てん容器を車両に積載して移動する場合などに関して
イ 充てん容器を大型トラックに積載して移動するので、車両の前部の見やすい場所1ヶ所に警戒標を掲げた。
誤 警戒標は、車両の前後から明瞭に見える場所に掲げなければならない。
ロ LPガス合計質量800sの充てん容器をトラックで移動するので、能力単位B-10の消火器を1個携行した。
正 消火設備(粉末消火器)は、移動するLPガス量による区分に応じて、定められている。移動するLPガス量が150kgを超え1000kg以下の場合、能力単位B-10以上のもの1個以上と定められている。なお、移動するLPガス量が1000kgを超える場合は2個以上備え付けなければならない。
ハ トラックで50s型充てん容器2本を移動する際に、災害発生時などにおいて関係者以外の接近を阻止するためなどに使用する赤旗を携行したので、メガホンは携行しなかった。
誤 携行すべき資材および工具として、「赤旗、・・・、メガホン、・・・、革手袋」がある。これらのものは、すべて携行しなければならない。
二 充てん容器を積卸しする際に、容器の胴部と車両との間に布製マットをはさむことにより、摩擦を防止し、かつ、容器にきず、へこみが生じないようにした。
正
イ プロパンは、分子式C3H8で表されるパラフィン系炭化水素である。
正
ロ アボガドロの法則によると、すべての気体1molは、標準状態(0℃、0.1013MPa)で同一の体積を占める。
正
ハ 一定圧力のもとでは、一定質量の理想気体の体積はその絶対温度に比例する。
正 シャルルの法則。
二 1000Paは、1MPaである。
誤 1000Pa=1kPa 1MPa=1000kPa
問2
イ 1Pa=1N/u
正 圧力[Pa](パスカル)は物体の単位面積1u当たりに作用する力[N](ニュートン)である。
ロ 1W=1j/s
正 動力(仕事率)[W](ワット)は、単位時間[s](秒)当たりになされる仕事の量[j](ジュール)である。
ハ 1N=1kg・u/S2
誤 力の単位にニュートン[N]が用いられ、1Nとは、質量1sの物体に作用し、1m/S2n加速度を生ずる力であるから1N=1kg×1m/s2=1kg・m/s2である。
二 1j=1N・m
正 1Nの力が物体に働いて1mの距離を動かすときの仕事を1jという。
問3
イ 標準状態(0℃、0.1013MPa)におけるプロパンガスの比重は、およそ1.5である。
正 標準状態における空気1molの質量は29g、プロパン1molの質量は44gであるから、プロパンガスの比重は44g÷29g≒1.5
ロ プロパンは、標準状態(0℃、0.1013MPa)において液が気化すると、その体積はおよそ400倍となる。
誤 0℃におけるプロパンの液密度を0.53kg/Lとすると、44sの液状プロパンは、44s÷0.53kg/L=83L
気体のプロパンは、標準状態において1molは44gで、かつ、22.4Lである。また、44sは44000gであるから、44000g÷44g/mol×22.4L/mol=22400L よって、液体が気化すると、22400L÷83L≒270 およそ270倍となる。
ハ 20℃におけるプロパンの飽和蒸気圧は、ブタンのそれよりも高い。
正 プロパン0.73MPa、ブタン0.11MPa
二 ブタンには異性体がある。
正 異性体とは、分子式は同じであるが構造式が異なる物質をいう。ブタンの場合、n-ブタンとイソブタンの2種類の異性体がある。
問4
イ 常温、大気圧、空気中におけるLPガスの爆発範囲は、水素のそれより広い。
誤 常温、大気圧、空気中における爆発範囲は、LPガス1.8〜11.1vol%、水素は4.0〜75.0vol%である。
ロ 爆発範囲は、通常、空気と可燃ガスとの混合気体中の可燃ガスの体積パーセントで表す。
正
ハ 常温、大気圧化において、プロパンは、空気中の混合割合が15vol%のとき燃焼する。
誤 常温・大気圧・空気中において、プロパンの爆発範囲は、2.1〜9.5vol%である。爆発範囲とは、可燃性ガスと空気又は酸素との混合気体において、その混合気体が燃焼で切る混合割合をいう。設問の15vol%は、プロパンの爆発上限界(9.5vol%)を超えているため燃焼しない。
二 プロパン1sを完全燃焼させたときの総発熱量は、およそ99Mjである。
誤 プロパン1molの完全燃焼方程式は、次のとおり。C3H8+5O2=3CO2+4H2O+2219j
1s(質量)当たりの熱量に換算すると、2219kj/mol÷44g/mol×1000g/kg≒50Mj/kg
1㎥(体積)当たりの熱量に換算すると、2219kj/mol÷22.4L/mol×1000L/㎥≒99Mj/㎥
99Mjは、プロパン1㎥を完全燃焼させたときの総発熱量である。
問5 プロパン70mol%、ブタン30mol%の混合ガス1molを完全燃焼させるために必要な理論空気量は、標準状態(0℃、0.1013MPa)のもとではおよそ何Lか。ただし、空気中の酸素含有量を21vol%とする。
@470L A525L B580L C645L D710L
B ・必要な酸素量(mol)を求める。
プロパンの完全燃焼方程式C3H8+5O2=3CO2+4H2O プロパン1molを完全燃焼させるために必要な酸素量は5molである。
ブタンの完全燃焼方程式C4H10+6・1/2O2=4CO2+5H2O ブタン1molを完全燃焼させるために必要な酸素量は6.5molである。
従って混合ガス(プロパン70mol%、ブタン30mol%)1molの燃焼に必要な酸素量は、(5mol×0.7)+(6.5mol×0.3)=5.45mol
・必要な空気量を求める。
酸素は空気中に21vol%含まれているので、酸素5.45molに相当する空気の物質量は、5.45mol÷0.21=25.95mol
・理論空気量を求める。
アボガドロの法則により、気体1molは標準状態(0℃、0.1013MPa)で22.4Lの体積を占めることから、25.95mol×22.4L/mol=581.28L≒580L
問6 一般消費者等に用いられる50s型LPガス容器とその容器バルブおよびLPガス調整器について
イ 消費先に設置された容器は、底部より肩部のほうが腐食しやすい。
誤
ロ 容器には、溶接容器が使われている。
正
ハ 容器バルブの充てん口のねじは、左ねじである。
正
二 容器バルブと調整器を高圧ホースで接続するので、調整器はその入口の位置を容器バルブより6p低くなるように設置した。
誤 調整器はその入口を容器バルブより5p以上高くなるように設置し、再液化したLPガスまたはドレンなどが調整器の入口部に滞留しないようにする。
問7 一般消費者等に用いられるLPガス調整器について
イ 自動切替式調整器は、使用側容器の圧力が0Paになった時点で予備側容器からのLPガスの供給が開始される機能を有している。
誤 自動切替式調整器は、使用側の容量が不足し圧力が低下(一般には、0.07MPa)すると予備側容器からのLPガスの供給が開始される機構を有している。従って、使用側容器の圧力が0Paになった時点で予備側容器からLPガスが供給されるということではない。
ロ 二段式二次用調整器は、単段式調整器の代わりとして使用してはならない。
正 入口圧力の上限が0.1MPaまたは0.15MPa(一般にいう中圧)に設計されているから、入口圧力の上限が1.56MPa(一般にいう高圧)である単段式調整器の代わりに使用してはならない。
ハ 一般消費者の住宅1戸に調整器を設置する際、その住宅に設置されているすべてのLPガス燃焼器の合計容量の1.5倍の容量を有する調整器を選定した。
正 戸建て住宅に設置する調整器は、最大消費数量の1.5倍の容量(kg/h)のものを標準としている。
二 単段式調整器の安全弁は、高圧側に設けられている。
誤 調整器の低圧側に安全弁が設けられている。低圧側に設けられる理由は、調整器が閉そく不良などを起こし低圧側が異常圧力になると、ガス漏れ、ガスメータの破損などを起こし事故の原因となるからである。
問8 一般消費者等に用いられるLPガス用ガスメータについて
イ ガスメータには実測式と推測式があり、マイコンメータSは推測式である。
誤 マイコンメータSは、実測式(膜式)である。なお、マイコンメータEは、推測式(超音波式)である。


ロ ガスメータの容量は、そのメータの使用最大流量のことを言い、通常㎥/hで表記される。
正
ハ マイコンメータSの合計・増加流量遮断値は、無段階自動選定機能により、消費者宅のガス使用パターンに合わせた最適な値が設定される。
正 マイコンメータSは、消費者宅のガスの消費パターンを学習する機能がある。
二 マイコンメータSは、CO中毒事故を防止するため、CO中毒対策流量区分の使用時間を制限することができる。
正 マイコンメータSは、不完全燃焼防止機能の付いていない4・5号の解放式湯沸器を使用し、かつ、ふろがまのない消費者宅のCO中毒対策流量区分の使用時間を制限(20分)する設定ができる。
問9 LPガス用配管材料について
イ 圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)は、同一呼び径の場合、スケジュール番号の大きいほうが肉厚が厚く耐圧性能も優れている。
正
ロ ガス用ポリエチレン管は、直射日光に強く、屋外露出配管に使用できる。
誤 ガス用ポリエチレン管(PE管)は腐食のおそれがほとんどなく、かつ、可とう性もあるが、熱や直射日光に弱い。そのため埋設部専用で、屋外露出配管などには使用が禁じられている。
ハ LPガス充てん容器と単段式調整器の接続に、LPガス用継手金具付低圧ホースを使用した。
誤 充てん容器と単段式調整器とを接合するために用いられるものは、LPガス用継手金具付高圧ホースである。LPガス用継手金具付低圧ホースは、調整器の出口と供給管との接続に用いられる。
二 ねじ込み継手の組み合わせによって埋設部の管系統に可とう性を持たせておく場合に、接手部のシール材として不乾性のものを使用した。
正 乾性のシール材を塗布して接続した場合、柔軟性を失い、振動や衝撃に耐えて気密を保つことはできない。
問10 LPガス保安用検査機器について
イ マノメータは、低圧専用の圧力計であって、精度も高く故障も少ないので、機械式自動圧力計の比較検査に使用することができる。
正
ロ 接触燃焼式ガス検知器は、半導体式ガス検知器に比べ、微少漏えい個所を検知する能力に優れている。
誤 微少漏えい個所を検知することを目的に開発されたものが、半導体式ガス検知器である。
ハ 地中に埋設されたポリエチレン被膜鋼管の位置(場所・深さ)を確認するため、パイプロケータを使用した。
正 パイプロケータは埋設管検知器ともいわれ、金属製の埋設管を探知(場所と深さ)することができる。
二 CO濃度測定器は、不完全燃焼防止装置が未装着の解放式燃焼器などを対象に排ガス中のCO濃度の測定に使用される。
正
問11 保安用安全機器について
イ 耐震自動ガス遮断機には復帰安全機能が組み込まれていて、その下流側に所定量以上のガス漏れがある場合は復帰できない。
正
ロ 不完全燃焼警報器(CO警報器)には、LPガスのガス漏れ警報器と組み合わされた複合型のものがある。
正 不完全燃焼警報器(CO警報器)には、「複合型」以外に検知と警報の機能が同一のケースにまとめられた「一体型」、検知部と警報部が分離されており、これらをコードで接続した「分離型」がある。
ハ ガス警報器(ガス漏れ警報器)のガスセンサには、熱線型半導体式センサだけが使用されている。
誤 ガス警報器のガスセンサには、半導体式(熱線型半導体式)センサと接触燃焼式(熱線式)センサの2方式がある。
二 マイコンメータSの圧力式微少漏えい警告機能は、ガスを使用しているとき、マイコンメータに内蔵されている圧力センサによりマイコンメータの入口から末端ガス栓の入口までの漏えいをチェックし、漏えいを検知した場合には警告を表示する。
誤 マイコンメータSの圧力センサが漏えいの有無をチェックするのはガスを使用していないときであり、また、監視する範囲は、「調整器出口から燃焼器入口まで」である。
問12 ガスの燃焼について
イ 炎が低温度のものに触れてその炎の温度が下がると、不完全燃焼を起こすことがある。
正 設問以外の不完全燃焼の原因は、「空気との接触。混合が不十分」、「空気量の不足あるいはガス量が過大」、「燃焼排ガスの排出がスムーズでない」などである。
ロ LPガスをガスバーナで燃焼させる場合には、燃焼方式にかかわらず一次空気と二次空気を必要とする。
誤 一次空気のみの燃焼方式として全一次空気式燃焼(赤外線ストーブなど)がある。また、二次空気のみの燃焼方式として全二次空気式燃焼がある。
ハ 一次空気が不足して炎の先端が赤黄色になって燃えている現象をイエローチップという。
正
二 フラシュバック(逆火)は、点火時や消火時には起こらない。
誤
問13 家庭用LPガス燃焼器について
イ ガスコンロの調理油過熱防止機能は、油温がおよそ400℃に上昇すると自動的にガスを止め、油火災の発生を防止するものである。
誤 調理油過熱防止機能(天ぷら油火災防止機能)は、油が自然発火する370℃付近の温度に達する前のおよそ250℃になると、自動的にガスを止め、油火災の発生を防止する。
ロ 開放燃焼式の瞬間湯沸器の不完全燃総防止装置は、室内の酸素濃度の低下、熱交換器のフィン詰まりなどによってバーナが不完全燃焼した場合に、バーナへのガス供給を止めるものである。
正
ハ 屋外用給湯器の凍結予防装置は、常時ごく微量のガスを燃焼させ、その熱を利用して燃焼器本体の残留水の凍結を防ぐものである。
誤 屋外式給湯器の凍結予防装置は、ガスを燃焼させるのではなく、電気ヒータを用いて加温している。
二 立ち消え安全装置は、点火操作時の不点火、吹消えなどによる生ガスの放出を防止する目的で取り付けられている。
正
問14 換気及び燃焼器の給排気について
イ 室内で開放燃焼式の燃焼器を使用する場合、換気不足によって生じる一酸化炭素(CO)中毒および酸素欠乏症の発生に注意する必要がある。
正
ロ CF式は、燃焼用の空気を屋内から取り入れ、燃焼排ガスを排気用送風機(排気扇)を用いて屋外に排出する方式である。
誤 CF式(closed flue systems)燃焼器とは、燃焼用の空気を屋内からとり、燃焼排ガスを排気筒を用いて自然通気力により屋外に排出するものである。設問は「FE式(forced exhaust systems)」。
ハ FF式は、給排気用送風機および給排気筒により、燃焼用の空気を屋外から取り入れ、燃焼排ガスを強制的に屋外に排出する方式である。
正 FF式(forced flue systems)
二 燃焼器の排気筒の材料として、不燃性でかつ十分な耐食性をもつステンレス鋼板SUS304を用いた。
正 排気筒の材料としては、ステンレス鋼板SUS304またはこれと同等以上のものを用いることとされている。
問15 LPガス販売事業者の貯蔵施設について
イ 貯蔵施設の障壁は、高さを2.0mとし、かつ対象の保安物件を有効に保護できるものとした。
正 貯蔵施設の障壁は、対象の保安物件を有効に保護できるもので、その高さは1.8m以上必要である。
ロ 貯蔵施設の屋根に、繊維強化セメント製の軽量な材料を使用した。
正 貯蔵施設の屋根の構造は、不燃性または難燃性の材料を使用した軽量なものでなければならない。軽量な屋根材料として、繊維強化セメント板、薄鉄板、アルミニウム板などがある。
ハ 四方を障壁で囲われた床面積10uの貯蔵施設に、面積900㎠の換気口を4ケ所、床面に接し、かつ、外気に面した位置に2方向に分散して設置した。
正 貯蔵施設の換気口は、床面積1uにつき300㎠の割合で計算した面積以上でなければならない。また、四方を障壁などで囲まれている場合には、換気口を2方向以上に分散して設ける必要がある。この設問の場合、換気口として必要な面積は、10u×300㎠/u=3000㎠ 排気口として設置した面積は、900㎠×4ケ所=3600㎠
また、排気口の位置が2方向以上に分散されているので、問題なし。
二 新設した床面積3uの貯蔵施設に、能力単位がA-5およびB-12の可搬式粉末消火器を1個設置した。
誤 設置すべき粉末消火器の最小個数は、貯蔵施設の床面積50u当たり1個として算出した個数以上または2個のうちいずれか大なる数である。この設問の場合、床面積当たりの個数は、3u÷50(u/個)=0.06個 ⇒ 1個 従って2個以上必要。なお、可搬式粉末消火器等は、能力単位がA-4およびB-10以上でなければならない。
問16 LPガス個別供給方式(家庭用)の供給設備などについて
イ 自動切替式一体型調整器を用いた50s型LPガス容器2本立ての供給設備では、消費を中断することなく容器交換を行うことができ、かつ、容器の残液を極力減らすことができる。
正
ロ 供給設備においては、消費開始後、時間の経過とともにLPガス容器内の液の温度は低下し、液と外気との間に生じる温度差により、蒸発熱が外気から供給されるようになる。
正
ハ 容器の設置本数を算定する場合の最大ガス消費量(戸別)[kw]を、燃焼器の合計消費量[kw]の0.8倍で求めた。
誤 最大ガス消費量(戸別)[kw]=燃焼器の合計消費量[kw]
二 50s型LPガス容器を腐食防止のため、風通しのよい湿気の少ない場所に設置した。
正
問17 LPガス集団供給方式の供給設備について
イ 中・高層共同住宅の中規模集団供給設備において、自動切替式分離型調整器を貯蔵施設などに設置し、建物の各階または各戸ごとに二段式二次用調整器を設置する方式を中圧供給方式という。
正
ロ 小規模集団供給方式(2戸〜10戸)の容器設置本数の算定は、二系列の場合、次式により求める。ただし、LPガス1kg/hを14kwとする。また、この供給設備はLPガス集中管理システムによる残量管理は行わない。
容器設置本数(片側:本)=(最大ガス消費量(集団)[kw]×0.7×1.1)÷(標準ガス発生能力[kg/(h・本)]×14
正
ハ 貯蔵能力1000sの貯蔵設備において、貯蔵設備から最も近い部分の供給管の立ち上がり部の下端にドレン抜きを設けた。
正 貯蔵能力が500s以上の設備にあっては、供給管の立ち上がり部の下端にドレン抜きを設けなければならない。
二 流電陽極法は、小口径で延長が短い鋼管や被覆部分に損傷のある被覆鋼管など、防食対象面積が比較的小さい埋設管の防食には適していない。
誤 流電陽極法(陽極材料として、マグネシウムが一般的に使用されている。)は、比較的簡便な電気防食法であるが発生電流が少ないため、小口径で延長が短い鋼管など防食対象面積が比較的小さい埋設管の防食に適している。
問18 バルク供給方式の設備等について
イ バルク貯槽の液取入弁に取り付けられているカップリング用液流出防止装置は、充てん中の新型バルクローリからの過充てんを防止する機能を有している。
誤 カップリング用液流出防止装置は、充てん設備(新型バルクローリ)の充てんホースの先端に取り付けられているセイフティカップリングとの接続・切り離し時に、大気へLPガスを漏らさずに行えるようにするものである。過充てんを防止する機能はない。
ロ バルク貯槽を2基接続して設置するので、バルク貯槽間において液移動が発生しないように対策を施した。
正 バルク貯槽は、単独で設置することが原則である。接続して複数設置する場合は、液移動(温度の高いバルク貯槽から温度の低いバルク貯槽に気体のLPガスが流れて再液化し、温度の低いバルク貯槽内の液量が増加する現象。)が発生しないように対策を施す必要がある。
ハ 地下埋設のバルク貯槽を設置するので、バルク貯槽を浮き上がり防止コンクリート板にベルト掛けで固定した。
正
二 新型バルクローリは充てん中にいたすらなどで操作箱の扉が開いた場合充てんを自動的に停止するが、自動車が衝突した場合には充てんを自動停止する機能はない。
誤 自動停止する機能(インターロック機能)が作動する場合として、「充てん中に操作箱の扉が開いた場合(いたずら防止)」、「自動車の衝突などの異常な衝撃を検知した場合」、「操作箱内のガス漏れを検知した場合」がある。
問19 LPガス工業用消費設備などについて
イ 消費型蒸発器のサーモバルブは、気化圧力(熱交換器内の圧力)を1MPa未満とするために設けられた附属機器である。
誤 消費型蒸発器のサーモバルブは、熱媒の温度低下を検知し、液状のLPガスの流出を防止するための附属機器で、液流出防止装置ともいう。設問は「気化圧力調整弁」。
ロ 50s型容器による供給設備において、蒸発器が電気系統の機能を失うなどにより蒸発器からのLPガスの供給が停止した場合に自然気化によりLPガスが供給できるようにするため、ピーク時のLPガス消費量に応じて算定した予備容器群を設置した。
正
ハ ダイリュートガス発生装置の蒸発器内に組み込まれたLPガスに空気を混入する混合装置(ミキサ)として多く使用されているのは、空気を吸引混合する方式のベンチュリ管である。
正
二 工業用燃料として使用されているLPガスのガス炉や乾燥炉には、異常事態による失火・消炎をキャッチして、ガス供給を遮断し、警報を発する安全装置が設置されている。
正
問20 50s型LPガス充てん容器を車両に積載して移動する場合などに関して
イ 充てん容器を大型トラックに積載して移動するので、車両の前部の見やすい場所1ヶ所に警戒標を掲げた。
誤 警戒標は、車両の前後から明瞭に見える場所に掲げなければならない。
ロ LPガス合計質量800sの充てん容器をトラックで移動するので、能力単位B-10の消火器を1個携行した。
正 消火設備(粉末消火器)は、移動するLPガス量による区分に応じて、定められている。移動するLPガス量が150kgを超え1000kg以下の場合、能力単位B-10以上のもの1個以上と定められている。なお、移動するLPガス量が1000kgを超える場合は2個以上備え付けなければならない。
ハ トラックで50s型充てん容器2本を移動する際に、災害発生時などにおいて関係者以外の接近を阻止するためなどに使用する赤旗を携行したので、メガホンは携行しなかった。
誤 携行すべき資材および工具として、「赤旗、・・・、メガホン、・・・、革手袋」がある。これらのものは、すべて携行しなければならない。
二 充てん容器を積卸しする際に、容器の胴部と車両との間に布製マットをはさむことにより、摩擦を防止し、かつ、容器にきず、へこみが生じないようにした。
正