2016年10月15日

10.LPガスの燃焼

問1 LPガスの燃焼について
イ 燃焼器によりLPガスを完全に燃焼させるには、理論空気量に加え過剰空気が必要である。



ロ ブンゼン燃焼において、ノズルから噴出したガスの圧力により、バーナの混合管内に吸い込まれる空気を二次空気という。

誤 これを一次空気という。

ハ ブンゼン燃焼において、リフティング状態からさらにガスの噴出速度を増していくと、炎は吹き消えてしまう。この現象をブローオフという。



二 ブンゼン燃焼において、イエローチップ(赤黄炎)は一時空気の不足によって発生する。



問2 家庭用LPガス燃焼器におけるLPガスの燃焼について
イ ガスの燃焼方式は、ブンゼン燃焼をはじめとして複数あるが、いずれの方式も一時空気と二次空気を必要とする。

誤 全一時空気式燃焼の場合は一時空気のみで燃焼し、全二次空気式燃焼の場合は二次空気のみで燃焼する。

ロ 燃焼器によりLPガスを燃焼させる場合、理論空気量の空気が供給されれば、過剰空気は必要ない。

誤 燃焼器によりLPガスを燃焼させるときには理論空気量に加え、さらに20〜100vol%の過剰空気が必要である。

ハ リフティングとは、炎がバーナから浮き上がって燃える現象をいう。

正 リフティングは炎がバーナから浮き上がって燃える現象で、炎口からのガスの噴出速度が燃焼速度より速くなった場合に起きる。

二 イエローチップとは、一時空気が不足して炎の先端が赤黄色になって燃えている現象をいう。



問3 LPガスの燃焼に関して
イ 全一次空気式燃焼は、燃焼に必要な空気の全部を一次空気として吸引し、あらかじめ混合管の中でLPガスと混合して燃焼する方式である。

正 赤外線ストーブなどが全一次空気式燃焼に該当する。

ロ ブンゼン燃焼は、空気口から燃焼に必要な空気の一部を吸引するとともに、炎の周囲から拡散によって空気を取り入れて燃焼する方式である。



ハ イエローチップ(赤黄炎)は、一時空気が極端に過剰となった場合に起こる現象である。

誤 イエローチップは、一次空気が不足したときに起こりやすい。

二 フラッシュ・バック(逆火)は、一次空気のダンパ(空気調節器)が閉じすぎて一次空気の吸引量が少なすぎ、混合ガスの燃焼速度が遅くなった場合に起こる現象である。

誤 フラッシュ・バック(逆火)は、炎口からのガスの噴出速度よりも、燃焼速度が速くなったとき、あるいは燃焼速度が一定でも、噴出速度が遅くなったときに起こる現象である。

問4 LPガスの燃焼について
イ 一次空気が不足して炎の先端が赤黄色になって燃えている現象をイエローチップという。



ロ ガスは空気と十分混合して燃えれば完全燃焼するが、その場合でも、炎が低温のものに触れると炎の温度が下がり不完全燃焼を起こすことがある。



ハ ブンゼン燃焼方式で完全燃焼したときの外炎の温度は、最大でおよそ700℃である。

誤 ブンゼン燃焼では外炎において二次空気と接触することでガスの完全燃焼が達せられ、その温度は約1300℃となる。

二 フラッシュバック(逆火)は、炎がバーナ内に戻る現象で、炎口からのガスの噴出速度よりも燃焼速度が大きくなったときなどに起こる。



問5 LPガスの燃焼に関して
イ 常温、大気圧の空気中におけるプロパンの爆発範囲(燃焼範囲)は、2.1〜9.5vol%である。

正 なお、ブタンの爆発範囲は、1.8〜8.4vol%である。

ロ LPガスの燃焼では、必要量の空気がない場合、あるいは空気との接触や混合が不十分である場合には不完全燃焼が起こる。

正 不完全燃焼の原因は、@空気との接触、混合が不十分、A必要量の空気がない、B燃焼排ガスの排出がスムーズでない、C炎の温度が下がるなどである。

ハ リフティング(煽火)とは、炎口からのLPガスの噴出速度が燃焼速度よりも速くなり、炎がバーナより浮き上がって、ある距離をへだてた空間で燃える現象である。

正 「噴出速度 > 燃焼速度」であれば、リフティング。

二 フラッシュバック(逆火)とは、炎がバーナ内に戻る現象で、炎口からのLPガスの噴出速度よりも、燃焼速度が速くなったとき、あるいは燃焼速度が一定でも、噴出速度が遅くなったときに起こる現象である。

正 「噴出速度 < 燃焼速度」であれば、フラッシュバック。

問6 LPガスの燃焼に関して
イ 標準状態において、プロパン1㎥を完全燃焼させるために必要な理論空気量はおよそ24㎥である。

正 プロパン1molの理論空気量は、約24mol(約24倍)、ブタン1molの理論空気量は、約31mol(約31倍)である。

ロ 一般に燃焼器によりLPガスを燃焼させる場合には、理論空気量の20〜100%の過剰空気が必要である。



ハ 常温、大気圧、空気中におけるプロパンの爆発範囲(燃焼範囲)は、およそ4.0〜75.0vol%である。

誤 プロパンの爆発範囲(常温大気圧)は、2.1〜9.5vol%である。

二 セミブンゼン燃焼とは、ガスをそのまま大気中に噴出して燃焼させる方式で、燃焼に必要な空気は、すべての炎の周辺から拡散によって供給される。

誤 セミブンゼン燃焼とは、一次空気率が約40%以下であり、内炎と外炎の区別がはっきりしない燃焼方式である。設問の燃焼方式は、全二次空気式燃焼(赤火燃焼)である。
posted by きん師匠 at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 高圧ガス第二種販売主任
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